2008年の行方不明・失踪事件トピックス




○ 本項では2008年の各種媒体におけるニュース記事から、筆者が興味を覚えたものを気の向くままに紹介している。
○ 
赤字は失踪者未発見の事件であるが、一般に、人が行方不明になったという事実はニュースになっても、その後発見されたという事実はニュースにならないことが多い。情報収集に努めているが、解決済の可能性があることを断っておきたい。


 1月5日午後6時10分ごろ、岡山県新見市豊永赤馬の鍾乳洞に探検に出かけていた高知大学理学部3年名倉裕樹さん(21)が、地底湖を遊泳中に行方不明になり、同行していた学生が新見警察署に届け出た。
 この鍾乳洞は「日●(=口へんに羊)坂鐘乳穴(ひめさかかなちあな)」と呼ばれる県指定天然記念物。奥行き約1.6kmで、ロープを使って昇降するなどアップダウンが激しい上、途中から一人がやっと通れるほどの道幅になるという難所で、行方不明になった最奥部の地底湖まで3〜4時間かかるという。通常、「入洞届」を市に提出するが(義務ではない)、学生達は提出していなかった。
 懸命の捜索が続けられたが、1月10日、二次遭難の危険が高いとして捜索は打ち切られた。


 北里大病院の眼科外来で事務補助の仕事をしていた派遣社員、峯松由実子さん(47)が2007年5月から行方不明になっている。峯松さんは同僚に「5月3日から6日にかけて旅行に行く」と話していたが、連休明けになっても出勤せず、同僚が携帯電話にかけても連絡が取れなかったため、夫が捜索願を提出していた。
 2008年1月10日、神奈川県警は関係先を家宅捜索するとともに、県内に住む知人男性らに対し任意聴取を行ったが、その後の捜査の進展状況は明らかでない。


 マレーシアでは1月9日から、5歳のシャーリニーちゃんが誘拐され行方不明となっている。現場付近からは下腹部に穴を開けた不気味な人形が発見されており、猟奇犯罪としてマレーシア中を騒がす事態となっている。
 そんな中、捜査が進まず膠着する状況に業を煮やした家族は、50人もの祈祷師に捜査を依頼した。その結果、50人全員一致で「シャーリニーちゃんは1週間以内に見つかる」とのありがたい御宣託。だが1月29日時点でシャーリニーちゃんは見つかっていない。
 いわゆる「超能力捜査官」を信用している人は、このニュースを聞いてどうお考えだろうか。


 1月31日に栃木県から熱気球で飛び立った冒険家の神田道夫(58)さんが、2月1日の「雨が降っている。LPガスの残り2.5本ある。飛べるところまで行く」という衛星電話を最後に消息を絶った。自身の持つ最長滞空時間を破る、60時間9000キロの冒険旅行に挑んでいる最中のことである。
 在日米大使館経由で要請を受けた米沿岸警備隊は、15日間で約10万平方キロメートルを捜索したが、有力情報が得られず捜査を打ち切った。神田さんは未だ見つかっていない。


 高松市国分寺町福家に住む早瀬文雄さん(84)が、2月7日から犬と散歩に出たまま行方不明になっている。高松西署などは18日、約30人体制、ヘリコプターも動員して付近の二つの山を捜索。自治会員ら約20人も協力したが、手がかりは掴めていない。
 せめてもの幸いであったのは、早瀬さんの飼い犬コロが16日、衰弱した体で家に帰ってきたことである。犬が言葉を話せれば、どんなにか良かったことであろう。


 山口県周防大島町に家族で遊びに来ていた3歳女児が3月15日夕から行方不明になっていたが、約20時間後の16日午後1時45分ごろ、捜索に加わっていた近所の男性によって川の近くで発見された。山中で迷子になり、寒さを我慢しながら1人で夜を明かしていたとのこと。当夜の気温は平年を1.9度下回る3度であった。
 第一発見者の安本貞敏さん(61)は後日、大島署から表彰された。


 北海道伊達市の知的障害者総合援護施設「太陽の園」に入所していた砂浜佳祐君(15)が、2月11日から施設を抜け出し行方不明になっている。
 失踪の予兆は存在した。10日午前、砂浜君は施設から「ゲームセンターに行きたい」と母に電話。母は「迎えに行けないから」と説得して止めさせたが、「こちらの言うことを聞いていないようで、いつもと感じが違った」という。
 その後砂浜君は施設を抜け出すも、国道37号を歩いていたところを施設職員に発見され連れ戻される。しかし翌11日午前8時ごろ、トイレに行くところを目撃されたのを最後に行方不明となった。施設の玄関は無施錠で出入りは自由だった。
 砂浜君は身長161センチ、体重48キロ。ジャージーとズボン、紺色のスニーカー姿。情報は伊達署(0142・22・0110)か太陽の園(0142・23・3549)へ。


 鳥取県琴浦町で父親(49)とキャッチボールをしていた小学校5年の男児(11)が3月27日から行方不明となり、八橋署らが160人態勢で捜索を続けていたが、29日午後7時ごろ、男児は1人で自宅に戻ってきた。父親から叱られたのが原因で、橋の下に隠れていたという。
 男児は以前にも家出をして空き小屋や車の下で発見されることがあった。


 アメリカ・オハイオ州の教会で牧師を務めるクレイグ・ローデナイザーさん(46)が、3月26日から家族を残して行方不明になっていたが、28日朝、同州のストリップクラブで酔い潰れているところを発見された。「罪の意識を感じる」と話していたという。


 アメリカ・コネティカット州の大学で日本文化史を学んでいたアメリカ人学生、スカイ・リン・バドニックさん(21)が、4月1日、自宅に「友達の家に泊まります」と書置きを残し、北海道目指し家出した。
 彼女は鬱の傾向があり、「日本でサクラを見ることができたら満足。命を絶てる」と話していたという。家族は自殺の可能性があるとして北海道警千歳署に捜索願を提出したが、7日朝、登別市の旅館を「札幌に行く」と言って出た情報を最後に、未だ行方はつかめていない。
 スカイ・リンさんは身長168センチ、体重81.6キロ。白人で、ブルー・グレーの瞳、髪は茶色。


 東京都江東区潮見のマンションに住んでいた会社員、東城瑠理香さん(23)は、4月18日19時半ごろ、同居していた姉に宛ててメールを出した。「今着いたよ」。
 しかしそれきり彼女はこの世から姿を消した。
 20時45分に帰宅した姉が目撃したのは、明らかな事件の痕跡であった。玄関の内外に散乱していた瑠璃香さんのピアスと留め金、そして壁には擦ったような血の跡。110番通報するのに時間はかからなかった。
 マンションに設置されている5つの防犯カメラには瑠璃香さんが帰宅する姿が映っていたが、その後彼女が出ていった、あるいは連れ去られたような映像は無く、瑠璃香さんはマンション内にいることは明らかだと思われた。しかし捜査は難航する。マンション内の全150戸を捜査員がしらみつぶしに捜索するも、瑠璃子さんに繋がる情報は全く得られず、警察では「何者かが防犯カメラの死角を突いて連れ出したのでは」という意見も出された。それが正しければ、犯人はよほど計画的だったということになる。
 巧妙な誘拐か、自発的な家出か、それとも犯人はマンション内部に潜むのか。いつしかこの事件には「神隠し」の異称が冠されるようになった。
 しかし5月25日、事件は一挙に解決に向かう。同マンションに住む星島貴徳容疑者(33)が逮捕され、瑠璃香さんを暴行目的で誘拐後、殺害したと供述したのである。瑠璃香さん室から発見された指紋と容疑者のそれが一致したことが決め手であった。後に同容疑者の供述通り、下水道から瑠璃子さんの骨片が発見された。彼は瑠璃子さんを殺害後、遺体をバラバラにしてゴミ捨て場に捨てたり下水道に流すなどしていたのである。
 「捕まりたくない一心で、存在を消すために殺した」と星島容疑者は述べる。神隠しと騒がれた事件は、解決してみれば残虐かつ短絡的な誘拐事件であった。
 だが警察関係者は大きな課題を突きつけられた。全住民の訪問捜査を行ったにも関わらず、解決がここまで遅れたのは何故か? 星島容疑者宅を捜査員が最初に訪れたのは、失踪当日の4月18日20時20分頃。星島容疑者は居留守を使って応じなかったが、その30分後に様子を見に外を出て捜査員に話を聞かれ、「まずいと思い、殺した」という。つまり、その時まで瑠璃香さんは生きていたのだ。どうしても「その場で容疑者を逮捕していれば……」という思いが頭をかすめる。また、19日に捜査員が容疑者の部屋を訪問しているが、切断された遺体が室内に隠されていたにも関わらず、逮捕につなげることはできなかった。さらに、星島容疑者は遺体をゴミ捨て場に出していたと供述しているが、何故それを発見できなかったのか。住民の出すゴミには十分注意が向けられるべきだった筈だ。
 このような後手に回った警察の捜査に、警視庁内部からも「捜査員としてのカンが鈍いのではないか」という意見が出される一方、容疑者は自分の指紋を薬品で消そうとするなど巧妙に隠蔽工作を行っており、任意調査の限界を指摘する向きもある。

 2009年1月26日、検察は死刑を求刑した。本公判については産経新聞が異様な程詳細に伝えており、被告と検察の説明による遺体解体方法の詳細まで赤裸々に報じられている。


 ブラジルのカトリック神父が4月20日、ヘリウムガスを詰めた風船を用いて「昇天」した。空に飛び立ったきり行方不明となっていたのである。
 神父は7月29日、同国南東部の沖合いで遺体となって発見された。風船飛行の世界記録を目指していたそうだが、残念ながらそれは叶わなかった。


 5月9日、大阪市平野区加美北3丁目の無職男性宅から、物置に白骨死体があったと平野署に通報があった。周辺には練炭火鉢や男性にあてた遺書のようなメモが見つかり、自殺と見られている。
 遺体は、2003年12月に行方不明になっていた、男性の長男(当時19)であった。


 5月27日、前橋市内のガソリンスタンドを50代くらいの男性が訪れ、尋ねた。「牛見なかった?」
 同市内では27日、県道を横断しようとした牛が大型トラック2台と衝突するという事件が起きていた。それだけならば風変わりな交通事故で済んだのであるが、問題の牛がその後行方不明となっている。いわば牛の失踪事件である。ガソリンスタンドを訪れたのは恐らく飼い主なのだろう。
 無事に回収され、民事訴訟を懸念する飼い主によってひた隠しにされたのか、それとも人知れず死んでいるのか、詳細は明らかでない。


 中国で中学生が行方不明になり、5月30日、遺体で発見されるという事件があった。これだけならば普通の悲しい事件であるが、異常だったのは、彼の遺体からは皮膚・肉・臓器が失われていたことであった。
 行方不明だったのは広州市黄埔区石化中学一年生・周小龍君。両親は貧しく、金銭目的での誘拐の可能性は低い。中国では以前にも、腰に大きな穴のあいたホームレスの遺体が発見されており、臓器目的の殺人事件ではないかという噂が強く囁かれている。


 1971年の成田闘争時に起訴後保釈され、判決直前に行方不明となっていた渡辺往勇被告(69)が、6月3日、29年ぶりに千葉地検に出頭、懲役1年6月、執行猶予4年(求刑・懲役1年6月)の刑を言い渡された。被告は川崎市の建築現場で作業員をするなどして生活していたが、年をとり、今後の生活のことを考え、出頭を決めたのだという。


 福島県郡山市で65年に失踪した歯科技工士、黒羽一郎さん(当時35歳)になりすましてスパイ活動を行ったとして、警視庁公安部は8月13日、アジア系ロシア人の男を国籍、氏名、年齢とも不詳のまま、旅券法違反などの容疑で書類送検した。
 事件が発覚したのは97年。公安部がスパイ活動を突き止め、男の家から乱数表や換字表、受信機などを押収した。男は95年に出国したきり行方がつかめていない。黒羽さんの行方も未だ不明である。


 8月17日、栃木県矢板市「観音寺」の墓地の石室から、ミイラ化した何者かの死体が発見された。自分で自室に入って自殺したとみられ、死後数年が経過していた。


 ふと目を離した途端に子供が行方不明となる事件は決して少なくない。8月26日午前8時半ごろ、静岡県富士宮市のオートキャンプ場で、会社員の長男が目を離した隙に行方不明となっていたが、およそ30時間後、山中で発見された。


 テレビで失踪者捜索番組を見ていたイギリスのJohn Renehanさん(42)は、紹介されている失踪者の中に見なれた顔を発見した。5年前に埋葬したはずの父親だったのだ。
 父親のDelaneyさん(71)は2000年に失踪、その後2003年1月に遺体となって発見され、埋葬されたはずであった。ところがこれは全くの別人で、本物のDelaneyさんは記憶喪失状態で路上を歩いているのを発見され、近所の介護施設に入所していたのである。そこでDavid Harrisonという名前を与えられ、自分が何者か知るために、今回テレビ番組に出演したのだった。
 イギリスでは2007年の10月にも、母が赤の他人の遺体を息子と誤認して埋葬するという事件が起きている(2007年のトピックス参照)。イギリス人は遺体の判別が不得手なのだろうか。


 兵庫県国際交流協会などが実施している「大学洋上セミナー」に参加していた神戸市の女子大生(21)が、南シナ海を航行中の9月1日午前2時半ごろ、乗船していた「ふじ丸」の船室を出たきり行方不明になっている。同船は予定を変更して現場海域を捜索、帰港後は神戸海上保安部が船内を調査したが、彼女の行方はつかめていない。


 9月4日17時30分ごろ、札幌市北区で小学4年の女児(9)が行方不明になり、警察は「自宅近くの防風林で不審な男と一緒にいた」という目撃証言などから、若い男が女児を連れ去ったと判断し捜査を開始した。
 が、翌5日、女児は行方不明になった防風林の中で無事発見された。行方不明になる直前まで一緒にいた男とはすぐに別れたとのことで、その後女児は防風林内で一晩過ごしたのだという。連れ去りの事実は無く、警察は事件性なしとして捜査を打ち切った。


 9月8日、愛知県警に、「小学6年の息子が車に乗せられ連れまわされた」との通報が母親から寄せられた。
 その後、男児は同県清須市の路上で保護されたが、どうも話に矛盾がある。追求すると男児は白状した。自転車で遊んでいて遠くまで来てしまい、怒られると思って母親に嘘をついたのだという。


 身元不明のまま埋葬された遺体のことを行政用語で「行旅死亡人」と言うが、警察では不定期にこうした行旅死亡人の情報をまとめて一般に公開している。失踪したまま行方不明になっている者がその中にいるかもしれないからである。
 9月に千葉県で行われた行方不明者相談所において、同県市川市の女性は、昨年11月に行方不明になっていた長男を発見することができた。遺体となっての再開であったが、母親は「残念な結果だったが、膨大な資料から見つけ出した時はほっとした。今はしっかり供養してあげたい」と話しているという。


 徳島県徳島市の井藤啓子さん(60)が9月5日から、自転車で自宅を出たきり行方不明になっている。井藤さんは身長155センチくらいの中肉で、白髪交じりのショートヘア。半袖の赤色Tシャツと黒色ズボン姿で、自転車は白。認知症を患っているとのこと。


 鹿児島県鹿児島市の無職、平田広人さん(28)が「本屋に行く」と言い残し、自転車で外出したまま行方不明になっている。平田さんは身長160センチのやせ型、スポーツ刈りが伸びた髪型、銀縁眼鏡に白いシャツ、緑のズボンを着用。知的障害を持つ。


 10月9日21時43分、農家の女性(59)が雨の中、岩手県盛岡市の人通りの少ない農道をワゴン車で走行していると、突然目の前に傘もささない一人の女性が。響き渡る衝撃音と悲鳴。ワゴン車のフロントガラスにはクモの巣状にヒビが入った。人身事故である。運転していた女性が「大丈夫ですか」と声をかけると、撥ねられた30歳くらいの女性から返事があった。
 この後、事件は不思議な展開に。運転していた女性は相手が返事をしたことに安心したのか、すぐにではなく、1時間後に帰宅してから警察に通報。ところが警察が現場に駆けつけてみると、撥ねられた女性はどこかに姿を消してしまっていたのである。割れたフロントガラスからは運転者とは異なる女性の頭髪が検出され、狂言や幻覚などではないのは明らか。ワゴン車の破損の程度から考えて軽症では済まないはず。一体女性はどこに消えたのか。
 事件が解決したのは2日後の10月11日。撥ねられた女性が「被害者は私かもしれない」と名乗り出たのである。女性は岩手町の29歳派遣社員で、頭部打撲の軽傷を負っており、現場に残された靴の片方を持っていた。しかし事故当時の記憶や、帰宅した経緯については覚えていないという。


 埼玉県公安二課などは10月12日、政治団体幹部、野中悌一(61)と妻の緋紗子(67)を詐欺の疑いで逮捕した。この2人は、30年以上前に行方不明となっていた悌一容疑者の父親を健在であるかのように装い、老齢厚生年金をだまし取っていたのである。


 家庭用ゲーム機「Xbox」を父親に取り上げられたことを苦に、10月13日から家出していたカナダのオンタリオ州に住むブランドン・クリスプ君(15)が、11月6日、トウモロコシ畑の中で遺体となって発見された。ゲームに夢中になるブランドン君の生活態度が悪化したことからゲーム機を取り上げた父親であったが、まさかこんな事態になるとは思わなかったことだろう。
 ちなみにブランドン君の捜索に当たっては、Xboxの販売元であるマイクロソフト社が情報提供者に5万カナダドル(約420万円)の報償を約束していた。


 宮崎県の宮崎日大高校2年生の長友俊樹さん(17)が10月20日から行方不明になっており、宮崎県警は11月13日、公開捜査に踏み切った。
 長友さんが行方不明になったのは10月20日の1時間目の授業終了後のこと。教室から出たところを目撃されている。2時間目の際は「保健室に行っているのだろう」と誰も気にせず、周囲が異変に気付いたのは4時間目のこと。全職員を集めて捜索が開始されたのは16時過ぎだった。かばんと自転車は学校に置いたままになっている。
 長友さんは身長164センチ、当時の服装は白いシャツに紺色のズボンの制服姿。大変おとなしい性格で、自分から人に話しかけることがほとんどできなかったという。


 ネズミの害に困っていた町の住民が謎の男に駆除を依頼、男は笛を吹いてネズミを誘い出し退治した。ところが住民が報酬を惜しんだため、男は今度は町の子供達を笛の音で誘い出し、それきり子供達は2度と帰ってこなかった……というのが有名な「ハーメルンの笛吹き」の伝説であるが、そのドイツ・ハーメルンの町でネズミが爆発的に増えているという。11月18日、市当局が明らかにした。


 11月17日午前、北海道北見市で、北見市立小学校4年の女児(10)が道端にランドセルを残し行方不明になるという事件があったが、同日午後、18キロ離れた祖父の家で無事発見された。女児は日ごろから「学校に行きたくない」と口にしており、ランドセルを置いて一人歩いてきたのだという。当日の北見市の気温は5度前後であった。


 15年前、群馬県高崎市内の交差点で死亡事故を起こしたとして業務上過失致死罪で起訴された草野秋義被告(57)が、公判中に逃亡、行方不明になっていた。
 その後の2008年10月、被告は同県前橋市内の病院で発見・拘束される。ところが逃げ続けていたことを追及すると、同被告は思わぬことを口にした。「ずっと自宅にいた。自分の意見が聞かれず公判に行く気力がなくなった」というのである。一方前橋地検は「所在捜査は継続していた。自宅に居続けたというのは考えられない」としている。


 11月17日、三重県松坂市で、1か月ほど前から行方不明になっていた男性の遺体が発見された。
 自殺と見られる男性の遺体が発見されたその場所とは、ショッピングセンターの受水槽。水道管からの水を店内各店舗に供給するまでの間、一時的に溜め置く施設である。つまり、1か月程度ショッピングセンターの利用者は死体入りの水道水を利用させられていたことになる訳で、当然のごとく大騒動に発展した。店舗側や保健所は安全性に問題無しとしているものの、不信の念は未だ収まっていない模様で、種々の疑惑を追及する検証サイトが複数設置されるに至っている。(例:http://www.saira.jp/society/SOCIE20081202001.php


 大阪府熊取町の小学4年生、吉川友梨さんが平成15年5月から行方不明になっており、両親を始めとする関係者による必死の捜索が続けられているが、そんな親の心を踏みにじる犯罪が起きていた。無職、中谷浩気(39)と、内縁の妻で自称、川上佳代(38)が12月6日、2004年7月から友梨さんの家族に接触、「友梨さんを探すため」と称して、およそ470回、計約7,000万円を家族から詐取した疑いで大阪府警に逮捕されたのである。
 犯行は極めて悪質で、友梨さんの捜索費以外に、「救出したが本人が精神的に参っていて今は会えない」として当面の生活費を要求していたほか、複数の携帯を用いて友梨さんになり済まして両親にメールを送ったり、「警察は身内を疑っている」と吹きこんで警察に相談させないよう仕向けていた模様。
 子を想い、藁をもすがりたい親の気持ちにつけこんだ卑劣な犯罪である。


 東京代々木借家を訪れた地権者は、ゴミが散乱した屋内に妙なものを見つけて仰天した。失踪したと思われたかつての住人が、白骨死体と化して転がっていたのである。警視庁原宿署によると、男は昭和17年生まれ、死後6〜8年経過しており、50代後半で亡くなったとみられる。12月20日の産経新聞が詳細を報じている。
 判明した男の人生は物悲しいものであった。彼は塗装工、妻と一人娘と共に平和な家庭を築いていた。しかし平成9年に離婚、妻と娘は家を去り、彼は一人残された。その頃から家賃の支払いが滞るようになったらしい。8年前に弟に金を無心しに来たのを最後に彼の音信は途絶え、知る者は皆、彼は失踪したのだと思っていた。
 だが彼は帰ってきていた。そして、誰にも看取られず世を去ったのであった。
 高齢化社会を迎え、このように孤独死する高齢者は増加傾向にある。厚生労働省の調べによると、東京23区での16年度の孤独死者数は2,718人。16年4月には豊島区池袋のアパート解体現場から、約20年間放置されていたとみられる遺体が発見されている。


 アルゼンチンで、行方不明だった少年を猫が保護するという事件があった。
 少年は溝の中にいたのであるが、そこが偶然、猫たちのねぐらになっていたことが幸運に働いたようである。猫は少年に餌を分けたり、舐めて体を綺麗にしたりしていたとのこと。
 猫にしてみれば、変わった仲間が来たとでも思ったのだろうか。あるいは……?


戻る

inserted by FC2 system